緩和ケアチーム
概要
大阪府がん診療拠点病院に緩和ケアチームの設置が義務づけされており、緩和ケアについての知識と一定の資格をもった医師・看護師及び薬剤師などの多職種で構成されています。
治療が困難になった終末期の患者様だけでなく、がん治療を積極的に行っている患者様にもなるべく早い段階から身体的、精神的苦痛を和らげることができるよう活動しています。
また、がん患者様に関わる医療従事者のサポートを行うことを目的としています。
実績
緩和ケアチーム介入件数
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 総数 | 平均 |
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2 | 2 | 3 | 5 | 3 | 4 | 2 | 2 | 1 | 6 | 1 | 4 | 35 | 2.9 |
がん種別件数
肺 | 胃 | 大腸 | 膵 | 肝 | 胆管(胆嚢含) | 乳 | 前立腺 | その他 |
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5 | 5 | 8 | 3 | 3 | 1 | 0 | 3 | 8 |
院内緩和ケア研修会
開催日 | 講演1 | 講演2 | 参加者 |
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5月25日 | がん性疼痛緩和の基本的な知識~オピオイド製剤を中心に~ | 効果的な口腔ケアを実施するために | 30名 |
12月7日 | がん患者の栄養管理~緩和ケアチームの管理栄養士として~ | スピリチュアルペインのお話 | 21名 |
3月7日 | 症例を通して緩和ケアの基本を学びましょう | 症例に対応する社会資源の紹介 |
緩和ケアとは
緩和ケアとはがんになると患者さんとそのご家族は、様々な苦痛、問題を抱えます。 それは単に痛みといった身体的な症状だけではなく、不安や落ち込んだ気分などの精神的なつらさ、日々の生活で生じる社会経済的な問題、 そしてスピリチュアルな問題(その人自身の人生の意味や生きる意味など)です。 緩和ケアとはこうした身体的な苦痛や気持ちのつらさなどを少しでも和らげるための対処を早期から行い、 患者さんとそのご家族を含めて支援することです。そして、生活の質あるいは生き方の質を保つことで、自分らしく過ごしていただくことを目的としています。
※上部テキストをクリックするとPDFファイルが開きます。
緩和ケアチームの紹介
当院では、入院患者さんを対象に緩和ケアチームが活動しており、痛みなどのつらい身体症状や不安・落ち込みなどの精神的な苦痛を和らげ、患者さんとご家族が、自分らしい生活を送れるようサポートします。
緩和ケアチームの構成メンバー
医師:がんに伴う様々な症状を和らげます
看護師:様々な身体的、精神的な苦痛について話を伺い、症状全体の把握とケアを行います
薬剤師:痛みなどの症状を和らげるための薬についての助言や指導を行います
作業療法士:身体の機能を最大限に活用し、安全に生活できるようサポートします
臨床心理士:不安や気分の落ち込みなど心の問題についてお話を伺いサポートします
その他、必要に応じて専門職種と連携をとり、支援を行います
緩和ケア研修会(PEACE)修了者(2024年4月1日現在)
がん化学療法系 | 瓜生 恭章 | 乳腺・内分泌系 | 鄭 聖華 |
緩和医療系 | 髙原 良典 | 泌尿器・生殖器系 | 飯盛 宏記 |
緩和医療系 | 池下 和敏 | 泌尿器・生殖器系 | 金丸 知寛 |
緩和医療系 | 仲村 光代 | 泌尿器・生殖器系 | 榮井 廣嗣 |
筋肉・骨格・神経系 | 當麻 俊彦 | 放射線治療系 | 梶谷 千香枝 |
筋肉・骨格・神経系 | 鈴木 秀平 | その他 | 熊田 博斗 |
呼吸器系 | 原田 博雅 | その他 | 綾部 忍 |
呼吸器系 | 市橋 良夫 | その他 | 森川 周至 |
呼吸器系 | 武田 翔 | その他 | 塚原 麻理奈 |
消化器系 | 羽鳥 葵 | その他 | 畑 夏生 |
消化器系 | 遠藤 幸丈 | その他 | 葉山 友紀 |
消化器系 | 豊田 亮 | その他 | 白川 玲奈 |
消化器系 | 垣本 佳士 | がん診療以外 | 髙橋 圭 |
消化器系 | 大田 修平 | がん診療以外 | 植田 秀樹 |
消化器系 | 松岡 信子 | がん診療以外 | 羽鳥 広隆 |
消化器系 | 堤 綾乃 | がん診療以外 | 村上 修 |
消化器系 | 服部 彬 | がん診療以外 | 山中 宏晃 |
消化器系 | 小池 廣人 | がん診療以外 | 宮木 俊哉 |
消化器系 | 大津 周 | がん診療以外 | 山田 真弘 |
消化器系 | 白木 秀門 | がん診療以外 | 石垣 早知子 |
消化器系 | 清水 元就 | がん診療以外 | 玉城 裕史 |
消化器系 | 木村 拓也 | がん診療以外 | 津島 寿一 |
消化器系 | 井上 雅文 | がん診療以外 | 伊藤 博文 |
消化器系 | 藤井 貴子 | がん診療以外 | 濱口 眞成 |
消化器系 | 河嶋 茉澄 | がん診療以外 | 山田 知樹 |
精神系 | 片上 徹也 | がん診療以外 | 石井 真梨子 |
鎮痛系 | 谷 仁介 | がん診療以外 | 李 大相 |
鎮痛系 | 金沢 晋弥 | がん診療以外 | 阿部 祐子 |
頭頸部系 | 吉村 政樹 | がん診療以外 | 中塚 伸一 |
頭頸部系 | 坂本 竜司 | がん診療以外 | 久保 勇記 |
頭頸部系 | 高 沙野 | がん診療以外 | 南部 尚子 |
頭頸部系 | 占部 一彦 |
緩和ケアの介入について
当院は、患者様の希望に対して、スムーズに緩和ケアの導入ができる様に取り組んでいます。外来では、受診の際に患者様やご家族様から緩和ケア介入希望の旨を主治医にお伝えいただければ、患者様の困り事に応じて専門の知識を有したスタッフをご紹介します。また入院中の患者様であれば、病棟の看護師や主治医にお声掛けください。
今後の体の変化、日常の過ごし方等知っておきたい、今後の事をいつどのように考えれば良いか解らない、辛い症状に困っている場合は、必要な情報を提供し、意思決定の支援を行います。緩和ケアについては病院内(外来、放射線治療室、各病棟)に緩和ケアチームのお知らせを掲示していますのでご覧下さい。
また当院から在宅療養に移行した、訪問看護へ移行した等療養先が変化した患者様について、紹介先から相談を受け、患者様の困り事について共に考え、提案することも可能です。早期のがん教育はがんの予防に大きく役立つと考えられておりますので、小・中学校等に出向いてがん教育も行っています。訪問の際には、生徒の身近な方が当事者となっている可能性も踏まえ、事前の打ち合わせで情報提供をしていただき、子どもたちに精神的負担がかからないよう配慮しています。
アドバンスケアプランニング(人生会議)のパンフレットは当ホームページからダウンロードが可能です。不明な点は「緩和ケアチーム」や「がん相談支援センター」にお尋ねください。
この様な症状・不安がある方はご相談下さい
- ・痛み、息苦しさ、吐き気、お腹が張って苦しい等
- ・不安、気分が落ち込む、眠れない等
- ・仕事の問題や費用の事、療養場所等について
緩和ケアチームへのご相談をご希望される場合は主治医、看護師にご相談下さい。
「緩和ケア」について考えるタイミングは「早すぎる」、「遅すぎる」こともありません。
「緩和ケア」について考えたくない時は、考えなくてもかまいません。
人間は体力や気力が減ると、考える事ができなくなります。そんな時は、じっとしてエネルギーを蓄える時間が必要です。
また、一人で抱え込まず、周囲のスタッフやご家族に相談下さい。
我々緩和ケアチームのスタッフは患者さんの悩みや不安について、一緒に考え、納得できる選択をするために支援していきたいと思っています。