臨床検査科
主な業務内容
高度検査機器を備え、個人の技術と熟練した専門性で迅速且つ正確に臨床の場へ情報返却!
生化学検査をはじめとする各種臨床検査を行い、正確な検査データを迅速に臨床の現場へ返却することで、正しい診断、治療効果の判定に貢献しています。
臨床検査は大きく分けて検体検査、生理検査を行っています。
約45名の臨床検査技師が従事しています。超音波検査士や細胞検査士、緊急臨床検査士、二級臨床検査士、 糖尿病療養指導士、心臓リハビリテーション指導士、認定血液検査技師、睡眠指導士などの資格を持ち専門性の高い検査を行っています。
他にも、睡眠時無呼吸症候群の検査や尿素呼気試験なども行っています。 最近では積極的に以下のチーム医療へ参加しています。
糖尿病専門外来
糖尿病療法指導士を中心に血糖コントロールのための検査や合併症スクリーニングなどを実施
心臓リハビリテーション
エルゴメータなどでの運動指導を実施
栄養サポートチーム
入院患者さまの栄養状態把握の検査や病棟回診への参加
院内感染コントロールチーム
院内を回り、感染の危険性がないかの確認や院内感染の検査を実施
いびき(無呼吸)外来
無呼吸症候群治療後のアフターフォローや検査の予約・説明を実施
検体検査
生化学的検査
血清中の糖質、脂質、蛋白質、ホルモン、酵素などの定量分析により主な臓器の機能異常が推測できます。
採血から結果まで
血液学的検査
私たちの体に流れている血(血液)を採って体の異常を調べています。
血液検査には主に二つの検査があります。
血算(血液)検査;CBC
血液中の細胞の数や形、種類、比率を調べます。
これによって貧血や白血病などの病気や、炎症や脱水など多くの情報を知ることができます。
CBC:Complete Blood Countの略。 血液検査の血液を染めて、細胞を顕微鏡でみる「血液像」の検査や血液を造るもとである骨の髄の細胞をみる「骨髄像検査」なども行っています。
凝固検査
血液には固まる性質(凝固作用)があり、その機能が正常に働いているかを調べます。
血液をサラサラにするお薬(の量)の効き具合をみたり、凝固させるもの(因子)が減っていたり働けなくなっているのがわかります。
免疫検査
肝炎や梅毒などの感染症を検査しています。
一般検査
尿中の糖や潜血、蛋白、ケトン体、ビリルビンなどの検体により糖尿病や腎機能、尿路感染症のスクリーニングが行えます。 また、便潜血、寄生虫、胸水、腹水、髄液、関節液、精液などの検査も行っています。
輸血検査
また、血液型の判定や不規則性抗体スクリーニングを行っています。
細菌検査
細菌感染症の起因菌を尿や痰、便などさまざまな検体から培養し同定して、有効な薬剤の判定を行ったり、耐性菌の検出をしています。
また、インフルエンザの検査や結核菌の検査なども行っています。
病理検査
病理検査には、外科病理と細胞診があります。
外科病理では、胃カメラ等で採取した生検材料や手術による摘出材料などの生体材料から標本を作り、顕微鏡で見て良性か悪性かの鑑別と病気の広がりを診断します。
細胞診は、胸水、腹水、痰などの細胞を検査し癌細胞の有無や炎症の状態を判定します。
生理検査
心エコー
超音波により心臓の動き、血流、壁の厚さなど、心臓が正常に動いているかを判定します。
腹部エコー
超音波により肝臓、腎臓、膵臓、腸、膀胱、子宮、胆嚢などを見て腫瘍の有無や炎症、結石がないかなどが分かります。
血管エコー
血流や壁の厚さを測定して動脈硬化や狭窄の判定などを行います。
甲状腺エコー
腫瘍の有無やバセドウ病などの判定を行います。
乳腺エコー
腫瘍の有無などの判定を行います。
呼吸機能検査
COPDや喘息など肺の機能状態を判定します。
脳波検査
てんかんや交通事故後の脳障害の判定を行います。
誘発・筋電図
筋電図
針電極を用い筋の活動状態を記録します。針筋電図では神経・筋疾患の鑑別に有用です。
誘発電位
体表より神経に電気刺激を行い神経の伝導速度を記録します。糖尿病での痺れ、神経疾患に有用です。SEP(体性感覚誘発電位)、ABR(聴性脳幹反応)やMCV(運動神経伝導速度)、SCV(感覚神経伝導速度)などを実施しています。
ABI
四肢の血圧を測定する事で動脈硬化の判定ができます。
SPP
毛細血管レベルでの血流をとらえて、重症虚血肢の評価を行います。
純音・語音聴力検査
純音
聴力検査の中では最も基本的な、そして重要な検査です。 その目的は二つあります。一つは聞こえの程度が正常か異常か、異常だとすればどの程度の聞こえの悪さかということ。もう一つは、聞こえの悪さがどの部位の異常によるものかを大まかに判断するものです。
語音
音は聞こえるのに何をいっているのか、聞き取りずらいということがあります。
このような場合、「ア」、「カ」、「ビ」、「ジ」など前もって録音しておいた語をいろいろな強さで再生して聞かせて、その正解率を検査します。
心電図・負荷心電図
心臓の電気信号を記録し異常を判定します。
また、エルゴメータ(自転車)こぎや階段の上り下り運動を行いながら心電図を記録する負荷心電図も行っています。(負荷により異常が誘発されます)
24時間ホルター心電図
前胸部に数枚の電極を張り付け、記録機につなげて、服を着ます。
ホルター心電図を装着したまま普段と同じように生活していただき、翌日病院ではずします。
記録機の中に記録された24時間の心電図を、病院や解析センターでコンピュータ解析します。
解析はコンピュータだけでは不充分であり、技師か医師あるいは両者の作業を要するため、結果を出すために大体10日程の時間をいただいています。 記録機の着脱は病院で技師が行います。(または自己にてはずす場合があります)
呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)
炎症が起こると、白血球の一種である好酸球から一酸化窒素(NO)の産生が亢進します。喘息などで気道の炎症がある場合、呼気(吐いた息)に含まれる一酸化窒素濃度が上昇します。この呼気中一酸化窒素濃度を測定することにより気道炎症の評価、治療効果の判定などを行います。
ポリソムノグラフィー(PSG)
脳波、眼球運動、心電図、顎筋電図、酸素飽和度モニタ、下肢運動センサー 気流センサー、鼻カニューレ、体位センサー、マイク(いびき)センサー、胸腹バンドなど装着、 夜間の睡眠状態を記録・解析し、成人の無呼吸症候群の評価判断をします。 またCPAP治療・ASV治療も行っています。(一泊入院の検査となります) CPAP( continuous positive airway pressure ):持続的陽圧呼吸療法の略。 ASV(adaptive servo ventilator):二相式気道陽圧ユニットの略