薬剤部
紹介
薬剤部の特徴として、医師をはじめとして多くの医療スタッフからのあつい信頼のもとで業務を行っているところです。このことは多くの専門、認定資格者が在籍し、そのスタッフたちを中心にがん化学療法チーム、糖尿病外来チーム、栄養サポートチーム(NST)、透析外来チームなどのチーム医療の分野、また病棟常駐業務を通じて臨床業務の知識とスキルの向上に取り組んできた結果だと考えています。
また、高齢者社会を迎え、地域ケアシステムが叫ばれる今、病院薬剤師としてその責務とは何かを常に問い続け、そして保険薬局、近隣の病院薬剤部との連携を取りながら社会に貢献をしていきたいと思います。
今後の目標
- ①臨床業務活動のさらなる充実をめざす
- ②学会、論文発表を積極的に行い、リサーチマインドを追求する
- ③スタッフの育成ともに資格取得ができる環境の構築する
- ④医療制度改革に対応できるように組織の変革を常に継続する
薬剤部の構成及び業務量
薬剤部の構成
薬剤師 | 常勤34名 | 非常勤 1名(離島応援 1名、育児休暇 1名) |
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助手 | 常勤 3名 | 非常勤 1名(2020年4月1日現在) |
薬剤部の業務量
外来処方箋枚数 (院外処方箋枚数:10,471.3枚、発行率 84.6%) |
1,791.8.5枚 | |
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入院処方箋枚数 | 7,244.3枚 | |
入院点滴処方箋枚数 | 9,962.2枚 |
|
点滴本数 | 29,511.3本 | |
薬剤管理指導業務 | 2,155.8件 | |
Ⅰ 1,282.8件 | Ⅱ 872.9件 | |
外来化学療法加算ⅠA | 171.5件 | |
外来化学療法加算ⅠB | 52.5件 |
(数値:2019年度の月間平均)
有資格者
日本医療薬学会 | 医療薬学指導薬剤師 | 大里恭章 |
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医療薬学専門薬剤師 | 大里恭章、草薙みか | |
がん専門薬剤師 | 草薙みか、南野智志、山本倫数 | |
薬物療法専門薬剤師 | 草薙みか | |
日本病院薬剤師会 | 感染制御認定薬剤師 | 横山靖法、里岡達哉 |
認定指導薬剤師 | 大里恭章、草薙みか | |
日本化学療法学会 | 抗菌化学療法認定薬剤師 | 横山靖法 |
日本緩和医療薬学会 | 緩和薬物療法認定薬剤師 | 里岡達哉 |
日本静脈経腸栄養学会 | NST専門療法士 | 大里恭章、草薙みか、南野智志、森田亜記、岩政かおり、山本倫数 |
日本糖尿病療法指導士認定機構 | 糖尿病指導療法士 | 坂野千賀、森田亜記、栗野大輔、掘村光佐 |
日本アンチドピング機構 | スポーツファーマシスト | 山本倫数 |
日本麻酔科学会 | 手術期管理チーム薬剤師 | 大里恭章、前田晃佑 |
日本薬剤師研修センター | 漢方薬・生薬認定薬剤師 | 草薙みか、山本倫数、門間智恵 |
小児薬物療法認定薬剤師 | 坂野千賀 | |
認定実務実習指導薬剤師 | 大里恭章、草薙みか、坂野千賀、横山法靖、前田晃佑、青山瑛里子 |
施設基準
日本医療薬学会 | 医療薬学専門薬剤師研修施設 |
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がん専門薬剤師研修施設 | |
薬物療法専門薬剤師研修施設 | |
日本静脈経腸栄養学会 | NST専門療法士認定教育施設 |
実績
学生実習受け入れ(2019年5月~2020年2月:11名)
Ⅱ期 | 4名(同志社女子大学 1名、近畿大学 2名、大阪大谷大学 1名) |
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Ⅲ期 | 4名(近畿大学 2名、武庫川女子大学 1名) |
Ⅳ期 | 3名(近畿大学 2名、摂南大学 1名、京都薬科大学 1名) |
薬剤管理指導件数の推移
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
2017年 | ||||||||||||
2017年 | 1,954 | 1,958 | 2,155 | 1,975 | 2,137 | 1,928 | 1,983 | 2,181 | 1,886 | 1,969 | 2,030 | 2,039 |
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2018年 | ||||||||||||
2018年 | 2,076 | 2,012 | 2,109 | 2,030 | 2,156 | 2,002 | 2,321 | 2,238 | 1,977 | 2,264 | 2,115 | 2,067 |
2019年 | ||||||||||||
2019年 | 2,186 | 2,098 | 2,165 | 2,263 | 2,186 | 2,052 | 2,351 | 2,161 | 2,087 | 2,160 | 2,090 | 2,129 |
点滴室にある注射薬自動払い出し機(アンプルピッカー)はピッキングの合理化をはかっています。
臨床腫瘍センター内にあるミキシングルームには、『外排気型安全キャビネット』を設置し、入院、外来に関わらずすべての抗がん剤、生物学的製剤の調製を薬剤師によって行われます。
病棟の各階(ICU・4~8階)には『サテライトファーマシー』を設置しています。ここにはDI情報の入手用にネット用のPCも配置し病棟常駐業務の拠点として使用しています。
予約入院患者を対象に初回面談を行う『新入院お薬相談窓口』です。病室に行く前に薬剤師が副作用歴、アレルギー歴、持参薬等の確認を行っています。
薬剤部 研修システム
ジェネラリストからスペシャリストへ
当院では独自のローテイト教育研修プログラムを作成し、入職後約5年間までに、主たる診療科での薬物管理指導業務ができるジェネラリスト薬剤師の育成を行っています。
また、同時にがん薬物療法チーム、NST、糖尿病外来チーム、透析療法チームにも6ヶ月ずつ配属し、チーム医療について指導薬薬剤師のもとで学んでもらっています。
5年後より、希望する病棟、チーム医療に参加しそれぞれ目指すスペシャリスト薬剤師としての経験を積み重ねてもらっています。
また、スペシャリスト薬剤師として様々な学会で学術発表も多数おこなっています。
教育研修スケジュール
-
1年目
調剤・点滴調剤・製剤業務など
-
1年目(約6ヶ月後~5年間)
ローテイト教育期間
・各病棟(内科、外科、脳外科病棟など)を6ヶ月間ずつ
・臨床業務(2年目より)がん薬物療法、透析外来、糖尿病外来チーム、NSTを1年間ずつ5年目以降 -
各病棟・各業務の担当者として配属
(スペシャリストへの研修、学生、後輩の教育指導)

学会発表
2019年1月~12月
- 第13回 日本緩和医療薬学会年会(千葉)
- 『肺癌患者における長期間のオピオイド鎮静薬投与により離脱できた2症例』
- 第5回日本医薬品安全性学会学術大会(東京)
- 『メロペネムとピペラシリンの交差アレルギーと考えられた1症例』
- 第5回日本医薬品安全性学会学術大会(東京)
- 『急性咽頭浮腫に対する薬剤師としてのアプローチ』
- 第29回日本医療薬学会年会(福岡)
- 『肝機能障害のためダサニチブ、ニロチニブを用量調節しながら、分子遺伝学的走行を得た慢性骨髄制白血病の1症例』
- 第29回日本医療薬学会年会(福岡)
- 『八尾地区における病院・保険薬局との合同スモールディスカッションの試みとその有用性』
2018年1月~12月
- 第40回 日本病院薬剤師会近畿学術大会(京都)
- 『セデーションに薬剤師が介入した1症例』
- 第108回日本肺癌学会関西支部学術集会(大阪)
- 『当院で経験したROS1融合遺伝子要請肺癌の1例』』
- 第20回日本褥瘡学会学術集会(横浜)
- 『褥瘡患者におけるポリファーマシー現状調査と薬剤師の関わり』
- 第28回日本医療薬学会年会(神戸)
- 『薬剤総合評価調整加算と減薬の現状と課題 ~薬剤師の症例介入を中心に~』
2017年1月~12月
- 第38回 日本病院薬剤師会近畿学術大会(大阪)
- 『薬剤性転倒の後方視的調査』
- 第11回日本緩和医療薬学会(札幌)
- 『重症下肢虚血による慢性疼痛にオピオイド製剤を用いたが疼痛管理に難渋した一例』
- 第15回日本臨床腫瘍学会学術集会(神戸)
- 『A case of spontaneous complete remission of DLBCL with multiple extranodal involvement after the discontinuation of MTX』
- 第27回日本医療薬学会年会(千葉)
- 『Nivolumabによる薬剤性肺障害が疑われた2症例』
2016年1月~12月
- 医療薬学フォーラム2016 第24回クリニカルファーマシーシンポジウム
- 『膵癌患者の疼痛コントロールに難渋しモルヒネの硬膜外投与を施行した1症例』
- 第14回日本臨床腫瘍学会学術集会
- 『A Successful case of switching treatment from crizotinib after the onset of crizotinib-induced ILD』
- 第26回日本医療薬学会年会
- 『高度腎機能不全糖尿病患者に尿量維持目的でイプラグリフロジンが投与された1症例』
- 第57回日本肺癌学会学術集会
- 『インスリン投与による2型糖尿病治療中にNivolumab投与により急激な経過で発症した 1型糖尿病』
2015年1月~12月
- 第30回 日本静脈経腸栄養学会
- 「ローテート研修でのNST薬剤師の育成」
「TPN施行患者における脂肪乳剤使用量の実態調査」
- 第9回 日本緩和医療薬学会
- 「終末期がん患者における輸液療法と予後指標の解析」
「がん疼痛患者治療におけるNSAIDsの安全性についての検討」
2014年1月~12月
- 第35回 日本病院薬剤師会 近畿学術大会
- 「整形外科病棟における持参薬の疑義照会について」
「胃癌術後S-1補助化学療法の実施状況について」
「フェブソキソスタットによる糖尿病性腎症腎不全期患者の腎機能への影響」
- 第22回 クリニカルファーマシーシンポジウム医療薬学フォーラム2014
- 「ガレノキサシンの関与が疑われた薬剤性急性好酸球性肺炎の1症例」
- 第27回 日本医療薬学会 学術大会
- 「 2型糖尿病患者におけるDPP-4阻害薬シタグリプチンの有用性についての検討」
- 第8回日本緩和医療薬学会
- 「食道癌に対するFP療法施行患者の栄養管理について」
- 第8回日本腎臓病薬物療法学会
- 「シベンゾリンコハク酸塩およびドネペジル塩酸塩を服用中にQT延長をきたした1例」
2013年1月~12月
- 第34回 日本病院薬剤師会 近畿学術大会
- 「イリノテカン塩酸塩による下痢発現に関する要因の検討」
- 第28回 日本環境感染学会年会
- 「褥瘡患者へのNST介入の現状と評価」
- 第133回 日本薬学会年会
- 「ローテイト教育導入における成果と課題」
「全国徳洲会グループを対象とした漢方薬意識調査」
- 第15回 日本褥瘡学会年会
- 「褥瘡感染における抗生剤の使用状況」
「VAC療法を行った場合と簡易式陰圧閉鎖療法を行った場合での病院収益と費用との差の検討」
- 第26回 日本医療薬学会 学術大会
- 「入職5年次における薬剤研修制度の評価」
2012年1月~12月
- 第33回 日本病院薬剤師会 近畿学術大会
- 「八尾徳洲会総合病院での関節リウマチにおけるトシリズマブの使用経験」
- 第27回 日本環境感染学会年会
- 「抗インフルエンザ薬の年齢別使用数調査」
- 第132回 日本薬学会年会
- 「ステロイド治療中にニューモシスチス肺炎が疑われた一症例」
- 第14回 日本褥瘡学会年会
- 「当院での褥瘡回診患者におけるNST介入の現状」
- 第1回 日本腎臓病薬物療法学会
- 「CKD患者における薬物治療管理への関わり」
2011年1月~12月
- 第32回 日本病院薬剤師会 近畿学術大会
- 「イリノテカン塩酸塩による下痢発現に関連する要因の検討」
- 第26回 日本静脈経腸栄養学会年会
- 「寝たきり経腸栄養患者における必要エネルギー量の検討~感熱熱量計を用いて」
- 第14回 日本臨床救急医学会 年会
- 「術後のバンコマイシン投与のリスク因子に関する調査」
- 第13回 日本褥瘡学会年会
- 「褥瘡感染における抗生剤の使用状況」
「VAC療法を行った場合と簡易式陰圧閉鎖療法を行った場合での病院収益と費用との差の検討」
- 第5回 日本腎と薬剤研究会 学術大会
- 「CHDF施行時におけるバンコマイシン塩酸塩の投与管理をSawchuk-Zaske法を用いて管理した一例」
- 第27回 日本緩和医療薬学会年会
- 「転移性肝癌患者に対するオキシコドン錠の投与と副作用に関する調査」
- 第24回 日本医療薬学会 学術大会
- 「持続的血液濾過透析施行時におけるバンコマイシン塩酸塩のTDM」
「細菌性髄膜炎に対するバンコマイシン塩酸塩の髄液移行性」
学術論文発表
2017年1月~12月
- 「経腸栄養管理システムの変更に対する看護師の意識調査」
- Medical Nutritionist of PEN Leaders Vol.1 No2, 162-168, 2017
2015年1月~12月
- 「ガレノキサシンの関与が疑われた薬剤性急性好酸球性肺炎の1症例」
- 日本病院薬剤師会雑誌,51,67-70,2015
2013年1月~12月
- 「病院薬剤師を対象とした漢方意識調査による効果的な生涯教育の提案」
- 日本病院薬剤師会雑誌,49,1181-1186,2013
保険薬局の方へ
八尾徳洲会総合病院では、八尾市薬剤師会、八尾市立病院、医真会八尾総合病院と共に地域への情報発信、また薬剤師の学術交流、親睦を深めるため、『八尾薬薬連携協議会』に参加し、医療連携の推進に努めています。是非、この活動にご理解いただきますよう、ご協力の程よろしくお願いいたします。
疑義照会簡素化プロトコルの運用について(2018年5月1日)
疑義照会簡素化プロトコルの運用に伴い、従来の疑義照会用紙を「疑義照会用紙【八尾薬薬連携版】」に変更し、新たに「服薬情報提供書(トレーシングレポート) 【八尾薬薬連携版】 」を導入いたしました。このプロトコルの運用に参画される施設におきましては、 「院外処方箋における疑義照会簡素化プロトコル【八尾薬薬連携版】の運用について」、「院外処方箋における疑義照会簡素化プロトコル【八尾薬薬連携版】」の内容を確認していただき、合意書の締結をお願いしております。ご協力の程、よろしくお願いいたします。
外来がん薬物治療トレーシングレポートの運用について(2022年5月2日)
八尾徳洲会総合病院では、外来がん薬物療法の質向上を目指し、保険薬局や他の医療機関との連携を強化する目的で、がん薬物療法の内容や実施状況、副作用の発現状況を患者さんへ提供しています。それに伴い、令和3年(2021年)4月より、連携充実加算の算定を開始しております。
保険薬局におかれましては、患者さんより情報提供書の提示があり、それをもとに服薬指導、電話による経過フォローを行い、病院への情報提供が必要と判断された場合、トレーシングレポート等により報告をお願いします。
採用に関する薬剤部の見学、お問い合わせ
病院・薬剤部の見学を希望される方は、下記のメールアドレス宛にご連絡を下さい。日程を調整させていただき、こちらからご連絡させて頂きます。
問い合わせ方法
下記のメールアドレスに件名「病院見学希望」、「就職の問合わせ」などの件名とともに、本文中に「氏名、大学名」を記入の上、メールにて申し込んでください。
八尾徳洲会総合病院
薬剤部 大里恭章
電話番号:072-993-8501(代表)
e-mail:yasuyuki.ozato@nifty.ne.jp