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大動脈センター

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大動脈治療の新たな挑戦

大動脈センター
ステントグラフトの出現により大動脈瘤の治療は大きく変貌つつあります。従来の心臓血管外科領域における血管手術と放射線領域におけるカテーテル治療技術が融合し、ステントグラフト治療という全く新しい治療法が開発されました。この分野の治療を、安全かつ質高く提供するために、当院では心臓血管外科と放射線科、それに加えて痛みのコントロールを行う麻酔科が、一つのチームを作り大動脈センターを発足させました。

 


ご挨拶

センター長
大動脈センター長 赤城 治彦
当院では、平成23年4月より、大動脈瘤に対する低侵襲治療の実現を目指して大動脈センターを立ち上げました。当センターでは、血管内治療(ステントグラフト)を積極的に推し進めて参ります。当センターは、学会認定ステントグラフト実施施設であり、ステントグラフト指導医資格取得者2名、実施医資格取得者4名を擁する西日本最大級の大動脈瘤治療専門施設であります。
動脈瘤が大きくなると破裂し、90%近くの方が失血死します。本邦では、こうした原因で死亡している方が年間8000人近くいると考えられています。しかも、破裂するまで無症状のことが多く、事前に大動脈瘤の診断がついている場合でも、無治療で放置されていることが多いのが現実です。こうした方々の生命を救うことが当センターの使命です。
大動脈瘤の治療は、破裂する前に発見し、適切に手術することに尽きます。しかし、従来の治療は、胸やお腹を大きく開けて行う非常に侵襲の大きい手術であり、合併症も多く、決して楽な治療ではありませんでした。当センターでは、新たに導入されたステントグラフト(バネ付き人工血管)を駆使して、「切らない」、「痛くない」、「合併症のない」治療を目指しています。ステントグラフトは、足の付け根の所に置いた小さな傷から、足の動脈を介して大動脈内に挿入します。瘤のある部分で縮めてあったバネを拡げ、瘤の前後の正常な血管同士を人工血管で橋渡しし、瘤に血液が入り込まないようにして破裂を防止します。時間は従来の手術の半分程で済みます。術後数時間で飲食も出来ますし、翌日からは普通に歩くことが出来ます。入院期間は、瘤の部位にもよりますが、通常は4~5日程度です。麻酔は、患者様の恐怖感を取り除くために、原則として全身麻酔で行っていますが、場合によっては、局所麻酔(痛み止めのみ)でも施行可能です。当センターには専任の麻酔科医が4名常勤していますので、痛みのコントロールという点でもご安心頂けます。
 しかし、全ての大動脈瘤に対してステントグラフト治療が可能でというわけではありません。大動脈瘤の形態や場所がステントグラフト治療に適さないこともあります。詳しくは、大動脈センター外来にてご相談を承っております。ご自分で体の異常を感じている方、他院で大動脈瘤の診断を受けているものの放置されている方、手術を勧められているが迷っている方、どんなことでも結構ですので気軽にご相談頂ければと存じます。
ステントグラフト治療実施施設

診療のご案内

大動脈センター外来診療
午前
9:00 〜 12:00
午後
1:00 〜 4:00
お電話による予約制です。
診療に関する予約お問い合わせは、八尾徳洲会総合病院へご連絡ください。
紹介状は不要です。
医療機関からの救急依頼に関しては24時間常時受け付けています。
初診時の外来で検査を行い、治療方針を決定します。
手術が必要な場合には、手術の日程をご相談のうえ、ご帰宅いただきます。
既に入院されている患者さん等については、外来受診を省略した直接入院(転院)も可能です。

 

 

動脈瘤って?

Ⅰ.動脈硬化性大動脈瘤

心臓から体の各臓器に血液を運ぶ大動脈が高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病により動脈硬化をおこして血管が弱くなり、風船状にふくらむ病気です。

1)腹部大動脈瘤

右の写真は腹部にできた動脈瘤の3D CT画像です。
 腹部の大動脈は左に大きく弯曲、拡張し最大直径は5cmを越えています。
瘤表面は動脈硬化が著明に認められます。(白い付着物)
腹部大動脈瘤
 腹部大動脈にできる動脈瘤を腹部大動脈瘤と言います。
 通常成人で腹部動脈の直径は女性であれば16㎜程度 男性でも20㎜までの大きさですが。このように通常の2倍以上の大きさにまで拡張し瘤化た動脈瘤は破裂の危険性が非常に高くなります。
 しかしながら多くの場合、腹部大動脈瘤は全く自覚症状がなく、健康診断などで偶然発見されることが多いのです。
 動脈瘤は血圧の高さやその大きさにより破裂する危険性が増えます。いったん破裂すると死に至る可能性が高い、非常に危険な病気です。

2)胸部大動脈瘤

右の写真は胸部の動脈にできた動脈瘤の3D CT画像です。
動脈瘤は胸部大動脈の弓部に位置し、最大直径60㎜の巨大動脈瘤です。
胸部大動脈瘤
胸部大動脈にできる動脈瘤を胸部大動脈瘤といいます。動脈瘤の発症する部位により、上行、弓部、遠位弓部、下降と分類されています。一般に無症状に経過しますが、動脈瘤が大きくなり周囲の組織を圧迫するようになり初めて症状が現れます。反回神経を圧迫するとしわがれ声( 嗄声)、気管や食道を圧迫し呼吸困難や嚥下困難の症状が出ることもあります。
破裂した場合、患者は急速にショック状態に陥り救命は困難となります。
Ⅱ.他の原因による大動脈瘤

1)解離性大動脈瘤

左鎖骨下動脈分岐直後の遠位弓部にEntryを認め、解離腔は大きく瘤化しています。瘤化した解離腔(偽腔)は従来の大動脈腔(真腔)を圧迫しています。 解離性大動脈瘤

大動脈解離を発症し解離腔が血栓閉鎖せず残存(偽腔)すると慢性期に瘤化する場合があります。偽腔は本来の大動脈の3層構造(内膜、中膜、外膜)を保持していないため脆弱な動脈壁で破裂の危険性は非常に高いため上記のような症例では手術が必要となります。慢性期の解離におけるステントグラフト治療は偽腔に流入する血液をEntry(血液の入り口)部分で閉鎖することを目的として行う場合がありますが、治療効果については議論が多いのが現実です。

2)感染性動脈瘤

右の胸部大動脈3D CT画像は遠位弓部大動脈に発生した嚢状瘤です。 患者様は高熱などの感染兆候を示し、限局した嚢状瘤の急速拡大を認めました。 感染性動脈瘤

感染に起因した全ての動脈瘤及び既存の動脈瘤に感染 が加わったものを感染性動脈瘤といいます。比較的まれで、 全大動脈瘤に占める割合は 0.5~1.3 %程度です。しかしながら、感染性大動脈瘤はきわめて重篤な疾患で、その手術成績は動脈硬化性の大動脈瘤に比べて著しく不良です。
 手術成績不良の原因は、術前の感染状態が大きく関与していることが予想されます。感染の誘因は,敗血症,感染性心内膜炎,腹膜炎,急性胆嚢炎,腸腰筋膿瘍,肺炎,脊椎カリエス,腰椎椎体炎がなどがあり、術前の感染制御が困難な場合には緊急手術を行うのが一般です。早期手術を行い,術後に積極的な抗生物質投与による感染制御を行う必要があります。

起因菌に関し てはグラム陽性球菌(主にブドウ球菌)あるいはグラム 陰性桿菌(主にサルモネラ)が多いと報告されています。

 

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